なぜ、ほとんどの広告はうまくいかないのか
2024/04/23
経営における成否を分けるのは、以下の3変数です。
①ビジネスモデル
②マーケティング
③ファイナンス
②のマーケティング(特に広告プロモーション)が機能せず、サービスやモノが売れない、PMF「Product Market Fit」できない。そのような状況から事業徹底を余儀なくされる企業が多々存在しています。
では、なぜほとんどの広告が失敗に終わるのでしょうか。
それはマーケティング・コミュニケーションが設計できていないからです。
今回は広告がうまくいかないケースに代表される3点を紹介します。
メディアや広告手法が先行して、「誰に」「何を」提供するのかが不明確
広告の成功には、まずターゲットとなる顧客層を明確に把握し、そのニーズや問題を理解することが不可欠です。しかし、多くの企業では、Webマーケティングの媒体論や手法選定が先行し、誰に何を提供するのかが不明確なまま広告が展開されてしまうケースが少なくありません。これでは、顧客への訴求軸やコピーが明確にならず、広告効果が弱まってしまいます。
広告のゴール設定が曖昧
多くの場合、広告は「単に存在をアピールする」「ブランドの認知度を高める」など抽象的な目標に留まりがちです。このような目標は具体性に欠けており広告効果の測定が曖昧になりがちです。また、広告主が陥りやすい罠の一つが、「認知を追求すること自体が目的」になっているパターンです。認知率の高さは重要な指標でありつつも、認知が消費者の購買行動に直結するわけではありません。大事なことはその認知をいかに目的として設定している行動へ「転換」できるかが鍵なのです。
「認知をどこで獲得するかという露出先・露出量」と、
「いかにして転換させるかというコンテンツ」
この2点は広告をプランニングする際、常にセットで考える必要があります。
テレビCMをスポット枠で〜
Instagramで広告を〜
YouTubeで動画広告を〜
他社があの広告をやっているから〜
など、上記は全て認知をどこで獲得するか(露出先)の話でしかありません。これは、マーケターを業務委託で探している企業が、取組後に失敗する典型的なパターンとしてありがちです。事業者側がWebマーケティングを強化しよう!と人材会社へ依頼し、Webマーケターを業務委託で契約したが成果が出ませんでした。原因を紐解くと、そのWebマーケターは Web広告の設定や媒体に精通しているが、転換をさせるためのコンテンツを設計することが得意でないというパターンは往々にして発生しがちです。自社の顧客に対して、どのようなコミュニケーションを図って転換を狙っていくのかというコンテンツを設計できて、ようやく広告が機能する可能性があるのです。
- ポイント
【認知】を「どこで」「どれくらい」獲得する必要があるのか。
【転換】をしてもらうために「誰に」「何を」発信する必要があるのか。
悪しきA/Bテストの流行
広告を配信する際に、「どちらに効果があるか不明瞭なため、とりあえずA/Bテストを回しましょう。」というのが現在の風潮かと思います。考えるよりも動き出そうという趣旨や、媒体側のアルゴリズム主導の論理でこのような進め方が増えてきているのではないかと推察しております。A/Bテストを行う事自体は間違っていないのですが、PDCAの「Plan無きA/BテストにはいくらDoをしても期待される効果は発揮しません。」A/Bテストによる一時的な当たりクリエイティブが出た際に一過性のCV獲得には貢献するものの、以後、再現性のある成果が生じずCPA(1顧客あたりの獲得単価)が直ぐに悪化し、頭を抱えているマーケティング担当者を幾度となく見てきました。
これらの背景には、テクノロジーの進化に伴って広告宣伝をすること自体が民主化されてきたことに関係しています。ネットの普及以前は、限られたメディア(4マス媒体やOOH)に限られた事業者(広告代理店)しか、広告を出すことができない点や、そもそも広告効果の途中測定が難しく一発の広告に対する重みも違うため、広告のPlanがとても重要だったのです。そのため、いわば職能としてクリエイティブのプランニング力は非常に重要視されていました。しかし、現在では広告の効果測定が容易なことから、Web広告を取り扱うネット広告代理店を中心に配信してから考えましょう。というプランニングに力を入れていない業者が増えすぎたため、このような状況が発生しています。仮説や勝ち筋がないダメクリエイティブをどれだけA/Bテストした所で広告はうまくいきません。前述した【認知】と【転換】をしっかり設計したうえでA/Bテストを実施しましょう。
株式会社縁のMarkeXpertにはエキスパートクラスのマーケターをネットワーク化しており、業務委託でマーケター人材の提供が可能です。広告に課題を感じている企業様、マーケティングに課題をお持ちの企業様は下記よりお問い合わせください。