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Webマーケティングとは

Webマーケティングとは

2023/04/10

導入

WebマーケティングとはマーケティングのHowの一部分であり、Howの狙いの中には、大きく以下の2つが存在すると考えています。

❶消費者に買ってもらうための仕組み作り
❷消費者へ売るためのアクション

Webマーケティングの特性上、Webマーケティングは❷売るためのアクションの活動だと株式会社縁では定義しています。(※Webマーケティングは前段として事業の勝ち筋が明確な状態である事で効力を最大化できる手法です。マーケティングの根本的な考え方の記事は→https://markexpert.net/media/strategy/883/

各社Webマーケティングに躍起となったきっかけはWeb2.0の到来でした。

Web2.0=(スマホ/SNS/4G)は人々の情報の受け取りと情報の発信の2局面で民主化が成し遂げられ、加速度的に世の中を前進させました。今まではマスメディアを通じた情報が人々の主たる情報源でしたが、情報の民主化によって、人々のコミュニケーションのあり方が大きく変わったのです。コミュニケーションのあり方がテクノロジーの発達によって変化したのであれば、当然企業から消費者へのコミュニケーション手法も変化が生じます。

そのような変遷の中で注目を浴びたWebマーケティングですが、どのような考え方で展開と改善をしていくことで消費者へ売るためのアクションを最大化できるのか内容を整理していきたいと思います。

まず、Webマーケティングの急激な発展要素の1つが、購買に繋がるまでの指標が可視化、数値化できるという点です。数値化できるという事はKGIに対するKPIが具体化でき、PDCAのサイクルを回せる利点が生まれます。そのPDCAの元となる変数は以下の通りです。

売上に繋がるまでの変数をそれぞれ見ていきましょう。

①IMP(impression)

IMPは表示回数を指す指標です。消費者へ売るためのアクションを最大化するためには、まずはユーザーへ商品やサービスが露出されない限りは何も始まりません。

では露出(IMP)を増やす手法は何があるのか、代表的なチャネルのカテゴリを大別すると下記3点に集約されます。

A.検索
B.Web広告(※リスティング広告を除く)
C.SNS

A.検索

・主な対策

(1)SEO
(2)リスティング広告(検索連動型広告)

検索という行動は消費者が何かしらの意向を持って【能動的に】調べる・比較する・購入をしたりします。自身の考えている行動が顕在化されている状況であり、このフェーズに消費者と適切なコミュニケーションを実施することで購買へ繋がる確率を高めます。

(1)SEO

Search Engine Optimizationの略称で、Googleなどを中心に検索エンジン上での最適化を意味します。自社のサービスに関連するキーワードが検索された際、いかにして検索結果の上位にランクインできるかがIMPの数と相関します。

・対策概要
主な対策方法として、以下3つが存在しています。

-内部対策
-外部対策
-コンテンツ対策

自社サイトがGoogleのクローラに認識してもらうための内部対策。
自社サイトが他社のサイトからリンクを貼られている(参照元になっていたり紹介がされている)外部対策。
優良な記事を作成しサイト内で情報を発信していくコンテンツ対策。
上記3つがSEOの主たる施策概要となります。

・対策メリット
前述した通り消費者が能動的に必要な情報やモノを探している状況であるため、購買検討のタイミングであったり、サービスの利用意向が高まっている可能性があります。そのため、消費者が自社のWebサイトに到達しやすいかが(=検索順位が上位かどうか)IMPやCVに直結します。質の高い記事を自社サイトに蓄積していくためにはリソースがかかる代わりに、自然検索経由で消費者のIMP数、CV数が増加することでCAC「Customer Acquisition Cost」(顧客獲得単価)の低下にも繋がります。

・PDCAポイント
消費者のニーズと自社のサービスが最もマッチするキーワードの対策を優先しましょう。注力しているキーワードの検索順位をGoogle社が無償提供しているツールのSearch Consoleで確認し、自社サイト(=注力キーワード)が上位でIMPされるようコンテンツの作成、コンテンツのリライトを中心にPDCAを回します。時代の時々でGoogleのアルゴリズムに変動はおきますが、本質的にはユーザーが求めている内容を適切に提供できていれば検索が上位に表示されるという根底の考え方は変わりません。検索結果=消費者の検索ニーズの動向を常に分析しながら、対策をしていきましょう。

(2)リスティング広告(検索連動型広告)

Google/Yahoo!/Microsoft Bingなどの検索プラットフォーム上で、消費者の検索したキーワードに関連する広告を検索結果の上部に出す広告手法です。SEOは狙ったキーワードが上位に表示=成果が出るまでの時間軸が比較的長いor 不確実に対して、リスティング広告は費用を払うことで確実に指定したキーワードで広告の出稿が可能となります。

・対策概要
主な対策方法として、以下3つが存在しています。

-Google広告
-Yahoo!広告
-Microsoft ads

プラットフォームの特性や利用者数に違いはありますが、広告の仕組みは3つともほぼ同じです。

・対策メリット
SEOのメリットで説明した内容と同様に、消費者が能動的に検索してきたタイミングに合わせて広告を出稿する事ができます。広告の予算さえあれば出稿が可能なため、SEOよりもレスポンスを獲得することの即効性が期待できます。

・PDCAポイント
キーワード単位で露出・CVしたクエリの消費者が自社サービスの見込み顧客(=見込み化)、購買、受注したのかなど、広告の管理画面だけでは追えない実際の受注データも照らし合わせてPDCAを回しましょう。CVはするけれども、その後のビジネスで受注に至らない場合は広告として意味を成しません。

B.Web広告(※リスティング広告を除く)

・主な対策

(1)ディスプレイ広告
(2)記事広告
(3)動画広告
(4)SNS広告

潜在層へのアプローチでIMPが期待できる施策としてはWeb広告が代表的です。

(1)ディスプレイ広告

アドネットワークやDSPと呼ばれる広告配信プラットフォームを通じてWebのメディアへバナー広告を出稿する手法です。プラットフォーム側が取得している消費者のデータとして主にデモグラフィック(年齢や地域)とサイコグラフィック(興味や関心)があり、主に自社のサービスへ関心のある顧客へターゲティングして配信します。また、1度自社のWebサイトやLPに到達したユーザーへ再度広告を出す、リターゲティング(リマーケティング)広告も活用される頻度は高く、適切なメッセージやクリエイティブを潜在層の顧客にアプローチすることで意味のあるIMP増加が期待できます。

・対策概要
-GDN(Googleディスプレイ広告)
-YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)

・対策メリット
リーチできる面の数です。GoogleとYahoo!が持つ配信先SSP(メディア)の数は膨大にあり、かつCPC(クリック単価)も低価格で配信ができます。また、1度自社のWebサイトやLPに到達した消費者へ再度広告を出す、リターゲティング(リマーケティング)広告を活用し、消費者がWeb上でなにかしらの行動中にサービスを再度想起させる事が狙えます。

・PDCAポイント
-配信メディア先のチェック
→自社のサービスとマッチしていないメディアへの配信は露出をコントロールしましょう。

-クリエイティブのローテーション
→広告のIMPが減ってしまう要因は、クリエイティブが飽きられる→CTR(クリック率)が低下→広告スコアが下がる→配信のボリュームが低下する。というのが大前提の仕組みです。IMPを確保するためにクリエイティブの変更タイミングは数値を観測しながら改善をしていきましょう。

(2)記事広告

Webメディアには当然記事があり、記事の中には広告枠も存在しています。Yahoo!やNewsPicks、スマートニュース、グノシーなどのニュースメディアサイトを中心に使用されている広告手法で、記事の一種として消費者から読まれる傾向が高く、IMPを集める手法として使われています。

・対策概要
-NewsPicks
-スマートニュース
-グノシー

・対策メリット
記事広告は、メディアの信頼性や認知度を利用して広告主の商品やサービスを紹介するため、ブランド認知度の向上につながります。また、ニュースメディアなどは特にユーザーの利用頻度が習慣化されやすく、広告の露出を続ける事で消費者への想起が期待できます。

・PDCAポイント
記事の読了率とサービスサイトやLPへの遷移率です。 誘導したい先に記事を読み込んでくれた消費者が遷移しているか計測しましょう。

(3)動画広告

近年、4G回線の普及、YouTubeやTikTokなど動画プラットフォームにコンテンツと利用者が急激に増加しました。それに伴い、広告枠としても動画の枠が増えてきました。テキストやバナークリエイティブと比較しても、訴求できる幅は動画の方が広く、消費者への想起を目的とする場合、圧倒的に動画の方が強みを有しています。今後も益々、動画というフォーマットはニーズが増加する事が予想されており、上手くIMP増加に活用していきましょう。

・対策概要
-YouTube広告
-TikTok広告

・対策メリット
動画プラットフォームは世代によってはテレビよりも圧倒的に接触頻度と視聴時間が多い傾向にあります。前述した通り動画は静止画やテキスト情報よりも表現の幅が増えるため、消費者への想起強化に秀でている側面があります。

・PDCAポイント
動画はあくまで配信のフォーマットに過ぎません。各メディア毎の特性を踏まえて動画広告のクリエイティブを作成していく必要があります。コンテンツに集中している際に興味の無い広告が長時間配信され続けるのはマイナスブランディングにしかなりえません。コンテンツ内に流れる際にも消費者を少しでも振り向かせるにはどうすれば良いかを思案しましょう。

(4)SNS広告

SNSについての詳細は次のセクションで後述しますが、SNSのプラットフォーム内に広告を露出させてIMP増加を狙います。SNSは消費者側の利用頻度の高さから広告を目にする機会が圧倒的に増加します。また、自身が直近興味のある関連コンテンツがSNSのタイムラインに流れるのと同様に広告の露出も同じです。興味関心の観点で見た際には、アドネットワークやDSPなどのディスプレイ型の広告よりも利点があるため適切に設計しましょう。

・対策概要
-Meta広告(FacebookとInstagram)
-Twitter広告
-LINE広告

・対策メリット
SNSを利用する消費者は1日で接触する時間が長い&頻度が多い事から相対的に広告と接触する(=想起される)可能性が高まります。また、閲覧している投稿や投稿している内容など興味・関心に対して広告が露出されるため、消費者のニーズと広告のマッチ率の高さも期待できます。

・PDCAポイント
ディスプレイ広告のセクションでも前述しましたが、クリエイティブのローテーションが非常に重要となります。利用される時間が長い&頻度が多いということは、広告クリエイティブが消耗しやすい事の裏返しにもなります。IMPの量を確保し続けるために、定量的にクリエイティブの刷新をおこないましょう。

C.SNS

・主な対策
(1)Facebook
(2)Instagram
(3)Twitter
(4)YouTube
(5)Tik Tok

最後のIMP対策がSNSです。

・対策概要
各SNS毎の概要を以下にまとめています。

(1)Facebook

・対策メリット
日本国内では少しずつ利用者数が毎年減少傾向にあるものの、未だに世界規模としては圧倒的な利用者数を誇るプラットフォームです。実名制での運用がメインであることから信頼性が重要視されるビジネスシーンでの活用が目立っています。ビジネスシーンでの活用が多い事から、エグゼクティブ層へIMPを出す事が期待できます。

・PDCAポイント
BtoBビジネスを主体としている企業では、代表者、役員クラスが自社サービスの宣伝に活用するため、プレスリリースの告知、新プロダクトのリリース発表、資金調達、ウェビナーの案内、ホワイトペーパーの配布など、多岐に渡って利用されています。SNS全体にも共通している事ですが、基本的な特性として個(人=Who)にファンがつきます。Facebookは特に実名制という観点からも自身の知人と繋がりがある人かどうか(レピュテーション確認が可能)は信頼性という観点からも重要視されています。BtoBビジネスを運営している企業の代表者や営業担当責任者は実際に商談した方と積極的にFBで繋がりを作りましょう。また、宣伝ばかりの個人アカウントもよく見かけますが、これは持続的にエンゲージメントが集まりにくいです。個としての認知をしてもらうような趣味や皆に役立ちそうな情報、話題も提供しつつ、自社のビジネスとしての宣伝を上手く織り交ぜましょう。また、IMPが出続ける=タイムラインに露出され続ける投稿を狙うためには以下がポイントとなります。

-コメント返信
内容の良し悪しは別としてコメントが多い投稿はユーザーへの関心毎としてニーズがあるとアルゴリズム的には判断されているのでしょう。そのためコメントがきた内容には極力コメントを返す事で、単純にコメント量が倍になります。コメントをしてくれた方の真意を汲み取り、コメントの返し方一つでも消費者へのニーズを満たせる努力を怠らずに運用をしましょう。

-多様なリアクションの種類
リアクションの種類は複数個存在しており、いいね、超いいね、大切だね、ウケるね、この4つがリアクションされている投稿はこちらもユーザーからの関心度合いが高い投稿としてIMPが出続ける可能性が高まります。

(2)Instagram

・対策メリット
以下はメタ社から発表されている参考情報です。

-1つ以上のビジネスアカウントをフォローしているInstagram利用者の割合:90%
-ブランドとの関係構築について調査した対象メディアPF内でのランキング:1位
-Instagramで広告を見るとブランドへの興味が高まると回答した利用者の割合:70%

引用:https://business.instagram.com/

大半のInstagram利用ユーザーが企業アカウントをフォローしており、企業アカウントとやりとりができることに何かしらのメリットを感じていることが分かります。Instagramの運用型広告で獲得できる顕在顧客とは違い、Instagramのフォロワーは、見込み顧客となるため、フォローしてから即座にアクションを起こす割合は少ないです。ただし、発信を通じて見込み顧客と継続的に接点を取ることで、消費者の利用意向が高まった際に自社のブランド想起が期待できます。また、他SNSと比較した際に、女性の使用比率が高い傾向にあるデータも出ている点や、ビジュアル重視の特性などからも炎上などが比較的発生しにくいメディアの構造となっています。

・PDCAポイント
-タグ付け・メンション
-ハッシュタグ
-シェア機能(UGC)
-ストーリー
-ストーリーハイライト
-リール
-インスタライブ
-ショップ機能

(3)Twitter

・対策メリット
Twitterには以下4点の特異性があります。

-リアルタイム性
Twitterはリアルタイム性に優れており、企業が新製品の発表やイベントの告知などを即座にツイートすることができます。

-匿名性によるコミュニケーションの活性化
企業と顧客のコミュニケーションのハードルが低く、企業が顧客の問い合わせやフィードバックに迅速に対応することで、顧客満足度を高めることができます。また、匿名性の観点から消費者の本音も出やすいこともあって、顧客のインサイト調査やレビューをもとにサービス改善にも活用が期待できます。

-ハッシュタグの活用
Twitterはハッシュタグを用いた投稿が盛んであり、企業は自社の製品やサービスに関連するハッシュタグを活用することで、消費者をコンテンツのムーブメントに巻き込みながらアプローチすることができます。

-インフルエンサー
Twitter上には、フォロワー数の多いインフルエンサーや著名人が多数存在しています。インフルエンサーとコラボレーションをすることで、IMPの増加が期待できます。

・PDCAポイント
企業アカウントとして運用するか、個人アカウントとして運用するか方法は分かれますが、基本的には後者の方がフォロワーは集まります。やはり、人にフォロワーは集まるので、パーソナルが分かる個人アカウントだとより消費者視点では親近感が沸きます。また、投稿がシェアされやすいコンテンツの特徴には以下の10要素のいずれかが含まれています。

-有益な情報を提供しているか
-他者の肯定
-思考性の一致
-繋がり
-情報発信者との利害関係
-情報発信者に絡みたい
-祝福
-気になる(癖になる)
-専門性や独自性がある
-重要×即時性がある

(4)YouTube

・対策メリット
各社自社の良質な情報を発信するための手段として、資産が蓄積されるコンテンツを主体にしたSEOに力を入れていました。しかし、昨今では4Gや5Gの普及も相まって動画の資産価値向上=YouTubeに力を入れ始めています。他のSNSと比較しても、映像を主軸としたコミュニケーションが消費者と行えるため情報伝達力の高さが強みとなります。また、YouTubeはGoogle社が運営している背景から自社サイトへのサイテーション効果「他サイトやSNS上で特定のサイト名やブランド名を記載している」が狙えるため、検索エンジン上での順位にも相関してきます。

・PDCAポイント
チャンネル立ち上げ当初は該当のキーワードで検索しても中々、YouTube側でIMPが出ません。IMPを出し続けるためには、同様のジャンルで展開しているチャンネルに関連する動画として露出を狙う事ができればIMPを一定量確保する事が期待できます。

-チャンネルのスタンスの明確化
-動画の構成
-トーク構成&トーク力
-サムネイル&タイトル
-編集
-YouTube内SEO
-コラボレーション
-リアクションやコメントを消費者へ促す

(5)Tik Tok

・対策メリット
他SNSと比較した際に10代~20代前半の利用率が圧倒的に高い背景から、若年層へのIMPがいち早く期待できます。また、15秒〜60秒程度の短い動画尺のコンテンツが主体なことから、制作面においても比較的簡易に作成ができます。

・PDCAポイント
他SNSとの組み合わせを上手に活用してIMPを増加させている場合が多いです。YouTubeなどのコンテンツで続きが気になりそうな箇所を切り抜きでまとめて、本編は長尺の方に遷移させる事を狙うなど。できるだけ短い秒数で、「続きが気になる」要素を適切に盛り込みましょう。

②CTR(Click Through Rate)

①の章で述べたIMPの最大化はまず、露出量を引き上げるためのチャネルについて主に触れてきました。しかし、露出を最大化しても自社が展開しているサービスや狙いたい動線に消費者を誘導できなければ、露出自体に意味を為しません。そのため、自社が狙いたい対象の消費者に対していかに広告をクリックしてもらうかが重要となってきます。

・PDCAポイント
-タイトルや見出しは具体的か。(誰に、何を、どうやってなどがテキストや画像で明確)
-数字など分かりやすい訴求があるか。
-消費者の潜在的なニーズを掘り起こせているか。
-疑問形式を用いて続きが気になる構成にできているか。
-サービス内容に関連する内容が含まれているか。
-遷移先を消費者へ想像させられているか。
-受け手のメリットが明確か。
-利用しないことによるデメリットが明確か。
-期間や数量などの限定感があるか。
etc・・・・

まとめ.1
imp(露出量)×CTR(クリック率)が=PV(来訪者数)となります。
ここまでは自社のサービスサイトやLPにどう誘導してくるかという指標を主に解説してきました。しかし、これらの指標だけでは売上には紐づきません。サービスサイトやLPに来訪して頂いた消費者をいかにしてCV(コンバージョン=転換)してもらうかが次の変数としては重要になってきます。

③CVR(Conversion Rate)

消費者がサービスサイトやLPに来訪してから申し込みをしてもらうまでの過程において、顧客の商品理解度を高め、来訪者の申し込み確率を引き上げる指標です。

・対策メリット
使用した広告コスト(クリック単価×クリック数)に対してCVRが高ければ事業としての採算が高まります。採算が合えば投下できる広告コストを拡大することが可能なため、更なる事業の拡大が期待できます。そのためCVRの向上は全事業者が行うべき重要な指標の1つです。

-サービスサイトや商品LPから申し込みフォームへ遷移した割合 → フォームへの遷移率
-申し込みフォームから申し込み完了した割合 → 申し込み完了率
-見込み顧客がサイトに訪れてサービスを申し込んだ割合 → コンバージョン率 (CVR)

・PDCAポイント
オンラインでは申し込みを完了する手軽さがある一方で、申込完了前にキャンセルされてしまう点もはらんでいます。消費者が申込をするまでの過程において心理的に障壁となる要素を想定して何を成果ポイントとするかを思案し、消費者のハードルを把握して取り除く必要があります。

-何のサービスをどのように提供してくれるかが明確か。
-商品を使用した時のイメージが明確か。
-顧客が求めている情報を分かりやすく提供できているか。
-比較・検討できる要素やよくある質問などをQ&A形式でまとめられているか。
-実績や消費者の声などは掲載されているか。
-コピーやデザインが消費者に伝わりやすいか。
-CTA(申込ボタン)は適切に設置されているか。
-申し込み後の流れは明確か。
-時限(期間限定)のお得なプランはあるか。
-消費者が申し込み完了をするまでの工程数は最適か。
-どれぐらいの工程で消費者が申し込みが完了するかを把握できるか。
-記入項目の数や必要な情報は適切か。
-決済手段は豊富か。
-個人情報や決済情報が自動入力可能か。
-記入のしやすさや煩わしさに問題がないか。

まとめ.2
PV数(来訪者数)×CVR(問い合わせ率)=CV(コンバージョン数)の合計です。
ここまでの内容が主にWebマーケティングを中心に改善ができる範囲の内容でした。以下はWebマーケティングだけでは完結できないですが、売上を高める変数として重要な指標です。

④転換率

ビジネスによっては「顧客化」の定義が異なります。サイト内でのお申し込みが完了(CV)した時点で「顧客数」を計算する(ECビジネスなど)場合もあれば、ユーザーが有償転換した場合を「顧客数」とする(BtoBなどの資料請求やアポ確定し商談後に→受注)場合もあります。本記事は売上を基準としてKPIを設計する場合は売上が発生した時点を「顧客化」としその数を「顧客数」として定義します。CVした人数からどれくらい顧客化(有償化)されたかを「転換率」とします。
※ 顧客数 ÷ CV数 = 転換率

・PDCAポイント
-申し込みをした後にフィールドセールスなどの担当者から商品の具体的な提案がある。
-お試しの商品を購入した消費者に有料プランの購入を促す。
-1回の購入だけではなくリピートで購入してもらうように促す。
-魅力的なプランで課金してもらえるように促す。

サイトでの申し込み(CV)が最終の成果ポイントではない場合、顧客になっていただくために継続的なアプローチが必要です。オンラインとオフラインの両面で顧客に適切なタイミングでコミュニケーションを行い、顧客のニーズにマッチしたサービスやプランを提示する必要があります。まずは話しを聞いてみたい、試してみたい消費者の心理状況と、実際に消費者がお金払ってすぐにでも利用してみたいといった消費者の心理状況は違うため、サイトからの申し込みとは切り分けて最適なアプローチを設計することが大事になってきます。

まとめ.3
CV数(コンバージョン)×転換率=顧客数です。

⑤顧客単価(顧客一人当たりの売上を増やす)

多くの企業が売上を拡大していく際の思考として新規顧客を増やすことだけに意識が向きがちです。新規顧客を増やす事と等しく、一人あたりの売上額を増やすアプローチも重要となってきます。実態として売上高別に因数分解をすると「上位2割の顧客が売上の8割を占める」ことがビジネスシーンでは多く見受けられます。

上位2割の顧客は8割の顧客と比較した際に、自社のサービスをよく利用してくれる、コアファンやロイヤルユーザーと呼ばれる顧客に該当します。自社のサービスやブランドに好感を持って利用し続けてくれている可能性があり、「アップセル」のようなバージョンアップした商品の購入を促したり、「クロスセル」といった別商品の購入を促すことによって売上を伸ばすことが期待できます。

顧客と信頼が築けていない状態でアップセルを促したり、クロスセルで別商品を提案すると、将来のコアファン、ロイヤルユーザーになる可能性があった顧客を逃してしまう危険性もあるため、長期スパンで顧客との関係値を設計する必要があります。

⑥契約期間(顧客一人当たりの購入期間を増やす)

一度自社の商品を利用して継続的に購入がされない場合、常に会社としては絶え間なく新規顧客を増やし続けるための労力に忙殺されてしまいます。その様な状態は事業として不健全であり、事業自体の採算が合わずに終了してしまう可能性が非常に高いです。

商品が継続的に購入されない理由の大半は想定していた期待値に対して、「商品」が良くないからです。

-広告やセールスで期待していた内容と乖離が大きかった。
-普段必要なものでもなかった。
-なにか解決するものでもなかった。

結果から顧客のフィードバックを確認して、何が明確に不足しているのか、顧客が求めている期待はなにか、アプローチは違った方法が必要なのか、など商品開発〜プロモーションの工程全てに反映していく必要があります。

また、商品を継続して購入しない理由の内「うまく使えなかった」という場合もあります。

-商品を購入したが使い方がよくわからなかった。
-導入はしたがサービスを利用し続けるハードルが高かった。

上記のように、実際に利用するタイミングでのハードルが高く、商品の購入や利用を諦めてしまう人も多くいます。顧客はなにかしらの欲求を解決する「楽をしたい」「楽しみたい」「便利にしたい」ための便益にお金を投資します。しかし、利用のハードルが高ければ、お金を払ったのに「面倒」「つまらない」「不便」を顧客から引き出してしまい、サービスの購入や利用をやめてしまいます。

商品を利用するタイミングや利用し続ける過程で、利用方法のわかりやすさ、利用し続けることのメリット、利用の目的を再確認、顧客へのモチベーションアップ、利用過程のフィードバックなどサービス利用時の設計やコミュニケーションで解決できることもあります。

-商品による課題で離脱してしまう顧客
-商品の利用ハードルで離脱する顧客

など離脱する顧客の割合が高いところから改善する必要があります。
これらの改善活動を総じてCS(カスタマーサクセス)やCRM(カスタマーリレーションシップ)と呼んでいます。

まとめ.4
顧客単価(顧客一人当たりの売上を増やす)×契約期間(顧客一人当たりの購入期間を増やす)=LTV(顧客生涯価値)となります。

LTVとは、一人、あるいは一社の顧客が、自社のサービス(ブランド)と取り引きを開始してから終わりまでの期間内にどれだけの利益を自社にもたらしたかを計算した指標です。

各種Webマーケティングの指標を整理し、何に問題点があるのかを明確化しながら改善活動を強化していきましょう。

株式会社縁のMarkeXpertではエキスパートクラスのWebマーケターを業務委託で提供することが可能です。Webマーケティングに課題がある企業様は下記よりお問い合わせください。

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