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スタートアップのマーケティング

スタートアップのマーケティング

2024/07/16

大手企業とスタートアップ企業のマーケティング戦略の違い

契約書がピカピカの大手企業で活躍していたマーケターを、スタートアップ企業のマーケティング部門やCMOとしてアサインをしてもワークしなかったという経営者の失敗談は耳にしがちな事例かと思います。それもそのはずで、大手企業とスタートアップ企業ではあらゆる面での【リソース】(人、ブランド力、顧客基盤、ターゲット選定、速度、資金余力etc…)が異なるため、スタートアップ企業の生態系に適応できないマーケターは採用時の期待値とのギャップに苦悩してしまいます。スタートアップ企業は人的リソースが充足していないため、一人一人が対応する範囲も必然と広くなっていきます。そのため、狭義のマーケティングとしてプロモーションや広告宣伝しか経験をしていないマーケターがスタートアップ企業でマーケティングを担当する事になるとミスマッチが起こりやすいです。スタートアップ企業のマーケティングはどのように推進していくべきなのか、特に意識を置くべき点について記載していきます。

スタートアップ企業のマーケティング

スモールスタート

スタートアップ企業では収益が発生するまでの道のりとして、自己資金だけではキャッシュがショートしてしまう可能性が高く、エクイティやデッドファイナンスありきで事業を運営していくことが多く見受けられます。そのため、最小限の資本リソースで初期仮説が市場から受け入れられるのかを素早く検証する必要があります。シードフェーズのようなステージングであれば、資本のリソースもさることながら人的リソースも限られています。理想のゴールイメージを持ちつつも、ステージやフェーズにおける中間地点を段階毎に想定し、ビジネスを着実に運営していくほうが致命傷に至る失敗は回避がしやすいです。焦りや見栄、色々な雑念からスケールに目が眩みます。しかし、スタートアップの初期フェーズは選択と集中が重要であり、マーケターは何をするべきかよりも何をしないかが明確に決められる能力が必要です。

例)
❶このサービスはアプリがないと本当に成立しないのか?
❷このビジネスは大型のデータベースサイトを構築しないと成立しないのか?
❸業務委託のスキームを活用して、プロジェクトを回せないのか。

ピボット

どれだけ優秀なマーケターやプロダクトマネージャーが、リサーチを重ねて初期段階の仮説や戦略を構築しても実際に市場から受け入れられるかは、リリースをしてみないと分からない事がほとんどです。そのため、想定していたシミュレーションよりも反響がないということはありがちです。そこで重要となってくるのはピボットの判断です。当然、事業自体のPDCAを繰り返していくなかで改善が期待できることもあります。しかし、入社時の期待度、初期仮説やサンクコストに固執してしまい、合理的な経営判断ができないと、引き際を見誤ってしまい更なる負担が生じてしまいます。シナリオは事前に3プラン程想定しておき、最高のケース、固めのケース、最悪のケース。最悪のケースを下回る場合には、ピボットを想定しておくことで撤退ラインの基準が明確化し判断を見誤る危険性を早期に回避できます。

カテゴリーの創造

スタートアップのマーケティングにおける重要な戦略はカテゴリーを創造する事です。例えばWeWorkは「コワーキングスペース」という新しいカテゴリーを創造しました。個人や企業が短期間または柔軟な条件でオフィススペースを借りることができるようにし、フリーランサーやスタートアップ企業、リモートワーカーにとって魅力的な選択肢を創造しました。以前から同様にオフィス以外での働く場所を提供するビジネスモデルというのは存在していたかと思いますが、コワーキングスペースというカテゴリーで市場から認知を得たことで急激にシェアを拡大していきました。スタートアップは当然ながらブランド力もなく、消費者がサービスの利用イメージを持てないなど、無い無いづくしです。その様な状態で単に集客活動をしても市場から受け入れられる可能性は低いのです。そのため、カテゴリーを市場に受け入れてもらうための、マーケティングコミュニケーションが重要になってきます。「なぜ」、「誰に」、「何を」、「どのように」提供していくのか。この4点の解像度が高く、ユーザーのインサイトと合致したとき、スタートアップのビジネスは大きく躍進するチャンスが見えてきます。飛躍しているスタートアップ企業は、特に「なぜ」の部分のストーリーや発信力が非常に長けています。世の中への不満、社会課題、仮想敵から正義を取り戻すなど、熱量の高さにファンや熱狂•共感が生まれます。

利益>スケール

SaaSビジネス関連が一時期株式市場から高い評価を受けて、未上場のSaaS企業でも実態以上のバリュエーションがついていたことから、SaaSバブルと言われていました。市場の盛り上がりからエクイティの調達を上手く活用し、とにかく投資&スケールを最優先にしていました。しかし、実態の無いバブルはいつか弾けるということを歴史が証明しています。投資家にアピールするための非現実的なスケールシミュレーションをもとに、人員、オフィス、広告、開発、など需要以上に投資をしすぎた結果、成長が追いつかず、停滞してしまったスタートアップは後を絶ちませんでした。マーケットシェアを拡大していくためにスケールを狙うべきタイミングもあります。しかし、利益がビジネスを運営していく全ての源泉です。着実に利益を生み出す構造ができないと、持続可能な成長が見込めません。スタートアップで活動するマーケターは売上総利益(粗利)と営業利益から目を背けず徹底して拘りましょう。

プライシング

前述した利益を創出するためにもプライシングの設計はマーケティングの中でも成否を分ける重要な経営判断事項です。顧客に提供するサービスにどれだけの付加価値を上乗せできるかで収益性が大きく変わります。当然スタートアップであれば得られる粗利額の高さは、事業の成否や成長速度に大きく起因してきます。安売りはどこかしらのステークホルダーに無理を生じさせているので、中長期で見た時に持続性は期待できません。マーケターがやるべきことは消費者へ提供する便益の付加価値を高めて、利益を最大限創出することです。

ファイナンスコントロール

スタートアップ企業が目下意識すべきことは、キャッシュフローの管理です。マーケターは攻めのスタンスなので、成長をしているとアクセルを踏みがちですが、常にキャッシュがどの程度確保できているかは意識をしておきましょう。スタートアップの場合、何かしらの外部要因にて一気に売上が半減してしまったというケースが往々にして発生します。そのようなシーンに備えて、非常時があった際にどれくらいの猶予期間があれば、損益分岐点を超えられるのか。直近の損益に対して猶予期間をイメージし、いくら現金を保有しておいた方が良いかを試算しておくことで、非常時にも強い防御力の高い経営やマーケティングが可能となります。また、エクイティを入れると当然、成長の速度が期待されます。しかし、前述したように実態に見合わない需要以上の投資はスタートアップが失敗してしまう典型的なパターンです。焦らず着実に成長をしていける信頼関係をファウンダーとも調整していきましょう。また、既にPMFをしてグロースフェーズに入っているような企業は、更なる成長戦略が想定されるフェーズに突入しているはずです。その際にはM&Aなどで新たなビジネス領域を自社に迎え入れるか、もしくは競合を取り込んでしまうなども選択肢として考えられます。その際にも一定のキャッシュが必要となるため、長期戦略のファイナンス計画も策定をしていきましょう。

チーム体制

勝つためのチームを構築することもマーケティングにおいて重要な要素です。優秀な人をチームに集められるかというのも勿論大事ですが、目的達成に向けてチームの熱量をどれだけ高められるかというのも非常に重要です。やはり自社のサービスやプロダクトが本当に世の中の役に立てると信じて、世の中を変えようと能動的に動けるチームを構成することができるかは事業の成否をわける鍵となります。皆が同じ方向を見据えて世の中に価値を提供していくために、前述した「なぜ」の動機が大事になってきますし、皆が分かりやすく認識できるように組織としてはMVV(ミッション•ビジョン•バリュー)を作っているのです。また、人手不足である昨今、優秀層の正社員採用は難易度が高まっている傾向にあります。知名度の無いスタートアップは尚更困難を要するため、業務委託などを活用しプロジェクトを運営していくのも一つのやりかたです。事業がPMFするか分からないため、できる限り事業の状況に応じて柔軟な変化ができるように変動費で予算を組むことが安牌です。

株式会社縁のMarkeXpertにはエキスパートクラスのマーケターをネットワーク化しており、業務委託でマーケター人材の提供が可能です。マーケター人材の採用や育成に課題を感じているスタートアップの企業様、マーケティングに課題をお持ちのスタートアップ企業様は下記よりお問い合わせください。

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