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マーケティングとは

マーケティングとは

2023/03/07

導入

マーケティングに関する文献や書籍など、情報の量としては世の中に溢れかえっていますが、本質的な意味合いとして、マーケティングとは【持続可能な成長をし続けること。】だと弊社では定義しています。その持続可能な成長をし続ける活動(市場調査/商品開発/需要予測/プライシング/販売チャネル開拓/営業・接客・CS/プロモーション/PR/組織構築/採用/etc…)全てがマーケティングです。決して、世間一般的に誤認されている、マーケティング=プロモーションではありません。

近年テクノロジーの発達が顕著になった背景から、マーケティング戦略がなくとも、急激的な事業の成長を生み出した企業は存在しています。しかし、戦略なき手法を主体としたテックベースの顧客アプローチで、事業拡大は遂げたものの、一過性となってしまい成長が直ぐに停滞してしまうケースが多々見受けられます。これらの企業に共通していることは、マーケティングにおける勝ち筋が明確になっていない中で、奇跡的に集客がうまくいったパターンです。しかし、なぜ市場(顧客)に選ばれたのか、その逆としてなぜ停滞したのか要因が分からないため事業が行き詰った時に問題点はすぐに把握できるものの、課題点は不明確なため事業の立て直しが困難を極めるのです。

前述した、持続可能性を担保しながら成長をし続けるというのは非常に難易度が高く、より高度な専門性が求められます。では、どのようなことに専門性が必要なのか4点にポイントを絞って説明します。

事業開発

まず、1つ目が事業開発です。やはり、サービスの根幹に欠陥があると持続可能な成長をし続けることは困難です。では、欠陥という部分の解像度を引き上げると以下の特性が大きな割合を占めます。

それは【Why】の欠如=「顧客が抱える課題やニーズに対して選ばれる理由がないサービス」です。

ケーススタディーとして取り上げられがちなファーストリテイリング社の失敗事例を展開します。今や国内を代表するグローバルカンパニーのファーストリテイリング社ですが、過去にこのような取組に挑戦をし、失敗を経ています。そもそも、同社のアパレル事業を躍進させたきっかけの一つがSPA(製造〜小売の一気通貫)の導入です。中間マージンを排除し、サプライチェーン全体を自社のケイパビリティでコントロールすることで、市場のニーズに適した商品を高速でPDCA展開することが強みとなっていました。そこで、同社はSPAモデルによるアパレル事業での成功体験を活かし、2002年に生鮮野菜の生産と販売に関する新規事業を大胆に展開しました。しかし、結果から見ると、この事業は30億円規模の赤字損失を出し、1年少々で事業撤退を余儀なくされました。

なぜ、この事業は失敗したのでしょうか。アナリストから様々な見解は出ていますが、根本的には顧客が抱える課題やニーズに対して選ばれる理由がないサービスだったからです。同社は当初SPAモデルをアパレル事業以外にも横展開することで一定の成功が見込めるのではないかと思案し、新規事業に着手したと推察されます。しかし、あくまでSPAはビジネスフローの話で、それはあくまでマーケティング活動を最大化するための【How】でしかないのです。技術を横展開しても、事業がうまくいかないケースにありがちなのは、顧客が不在となっている場合です。野菜を買う人達がなぜ同社の野菜を買ってくれるのかという、【Why】が顧客の課題やニーズとマッチしていなければ、革新的な技術や手法があったとしても成功する確率は非常に限られます。企業が起こしがちな失敗はこの【How】を起点に事業作りを優先してしまい、PMF(マーケットにサービスが浸透)せず、撤退を余儀なくするケースがほとんどです。手段からのスタートは自己都合での起点となってしまい、理由を後付けで無理やりくっつけてしまいがちです。それらを未然に防ぐためにも、なぜ自社がその事業を展開し、何を顧客に価値として提供できるのかを明確にしたうえで事業の開発に取り組みましょう。

弊社(株式会社縁)のMarkeXpert(マケスパート)を例に事業開発の簡易版で例を取り上げたいと思います。

顧客が抱える課題

多くの事業者は事業を拡大するためにマーケティングを強化したいと考えるが、マーケティングに精通しているエキスパート人材が組織にいない。まずは、広告代理店に相談を持ちかけたが、メディアやプロモーションの話のみで根本的な事業課題の解決に結びつかない。広告代理店に在籍している人材の多くはプロモーション支援に秀でている一方、マーケティングのエキスパートではない。そこで、今度は人材の転職エージェントに相談するも….

市場の実態

働き方改革が提唱されて以降、優秀なマーケターは独立してフリーランスになる傾向がある。そのため、採用市場では自社が求めている人材と中々巡り会えない。採用ができないなら、他の選択肢がないかと検討していたところ….

提供価値

エキスパートクラスのマーケターを業務委託で紹介することが可能。また、MarkeXpert(マケスパート)は組織の課題毎に応じたマーケターを業務委託で提供し、ただの人材マッチングではなく、持続可能な成長をサポートし続けることを最重視。

なぜ、自社(マケスパート)なら実現可能なのか

一言で表すと、マーケティング支援のエキスパート組織だから。株式会社縁のスタッフはがマーケティングに精通しており、様々な企業へ戦略〜実行までを支援してきた実務経験があるからこそ、企業の抱えている本質的なマーケティング課題の設定と対策すべきアプローチをサポートできる。また、エキスパートの人材をプロジェクト毎で多用してきた背景から、実績を出しているマーケターを中心に人脈も豊富で課題内容に合わせてアサインができる。仮に新規のマーケターをアサインするにしても、人材のスキル、ケイパビリティ、思考タイプ、関与の仕方、などチェックするスキルが高く、ミスマッチが起きにくい。

競合と市場規模

  1. 直接競合→不在
  2. 間接競合→フリーランスや業務委託を活用することへの未知・不安感・既存社員との報酬バランス
  3. TAM(総市場)
  4. SAM(対象ターゲット市場)
  5. SOM(自社の対象ターゲット市場)

これらの5点を洗い出し、それらが会社の方針と展開する事業ドメインがマッチしているのか。
市場の規模と照らし合わせて、事業へ投資を行う経営判断の可否が決まります。

例)株式会社縁の方針
株式会社縁は持続可能な事業成長をサポートする組織で、ミッションは次の世代に繋がる事業や人を支えるために様々な”縁”を提供する組織。

戦略設計

2つ目が戦略設計です。事業開発と戦略設計は絶対にセットのためほぼ=になりますが、事業の勝ち筋をより解像度として高くすることが戦略設計における重要なポイントです。では、その勝ち筋に当たる事は何なのか。それは以下の3点です。

  1. Who
  2. What
  3. How

(1)Whoについて

Whoは顧客(消費者)理解のことを指します。戦略設計(勝ち筋)の良し悪しの6割はこの顧客理解で決まります。顧客理解とは字面だけ見るとわかりやすいのですが、顧客は自分の欲しいと思ったモノや考えていることを常に口に出すことはありません。また、物が溢れる豊かな現代において、何が自分に必要なのか、なぜそれを選択したのかすら顧客は分からないのです。その様な、目には見えない、耳には聞こえない、顧客の真の心の中にある欲求(インサイト)を導き出すことが顧客理解なのです。この顧客のインサイトに対して、提供する便益【What】を的確に満たすことができれば事業は自ずと成長軌道を描いていきます。しかし、顧客理解とは前述したように、顧客が自分のことでさえ本音が分からないことがほとんどです。そのため、顧客理解には相当なマーケティングスキルが求められます。多数の経営者やマーケティング担当者が実はこの自社の顧客のことが分かっていません。以下の質問を投げかけた時に明確な回答が返ってくる企業はごく稀です。

-なぜ貴社のブランドを顧客は選んでくれたのか。
-どんな人が貴社のブランドを選んでくれたのか。
-なぜ貴社のブランドを使い続けてくれているのか。
-なぜ貴社のブランドを使わなくなってしまったのか。
-貴社のブランドの何を気に入ってくれているのか。
-貴社のブランドの何が気に入らないのか。

よくある誤解として、顧客理解は顧客にインタビューをすれば良いという風潮がありますが、その認識は半分合っていて半分は間違っています。それは前述したように顧客は自分がなぜその商品を選んだのかは無意識の内に何かしらの理由でそのブランドや行動を選択・判断しており、それを当人に後で聞いても本当の答えが出てこない可能性が非常に高いからです。なので、事前の消費者意識や理解(仮説)なき状態でインタビューを実施しても、受け手のインタビュイーからは繕った回答が出てしまう可能性が非常に高いのです。では、インサイトとはどうすれば見つけられるのでしょうか。

大衆向けの消費財をケーススタディとして、インサイトの例を見てみましょう。

・USP(自社の商品が持つ独自の強み)

→洗浄力が強く、洗濯の仕上がりの白さが他社と比較しても段違い。

・プライマリターゲット(自社の対象顧客)

→洗濯の仕上がりを重要視する主婦

・インサイト(本質的な欲求)

→白さは他社も同じように白くなるから違いが不明確。そのため、洗えているのかを確認する時は、干した後の匂いで判断をしている。

・What(提供便益)

→洗浄力が競合と比較しても圧倒的に秀でているため、【匂いの元になっている菌まで落とす。】

インサイトを発掘するためには、マーケター自身が体験できる商品やサービスなのであればとことん、のめりこむことが一つの近道です。それが、使用する消費者のイメージがより具体化できるからです。その上で仮説を持ちながら同じような類似の消費者の行動を徹底的に観察することです。インサイトは単純に顧客へのインタビューや、販売開始後に算出された売上、デジタル上の取得できる数値だけで、導き出せるようなことではありません。顧客の中に眠っている何かしらの欲求やヒントを導き出すことに徹底して取り組まなければ見つけることはできません。

(2)Whatについて

先程、大衆消費財のケーススタディでWhatに関する一部の例を記載しましたが、Whatは顧客のインサイトに対して提供する【便益】のことです。設計したWhatが顧客に刺さるかどうかは、導き出したインサイトの解像度の高さに大きく相関します。また、提供すべき便益を設計することに対して最も危惧すべき設計はコモディティ化すること(ブランド価値がない)だと弊社では定義しています。

先程の洗剤を例にあげます。洗濯の仕上がりを気にする主婦に対して、漂白の白さの度合いに関する機能性に特化して打ち出したらどうなるでしょうか。消費財のように競合性が高い事業の場合、価格競争に巻き込まれ即座にコモディティ化してしまいます。ビジネスや勝負において最も強いことは戦わずして勝つことです。競合と鎬を削る戦いは体力勝負になるため、体力のない企業はキャッシュフローの兼ね合いで淘汰されるのと同時に、勝った側も市場の価格崩壊が起きて利益率が悪くなります。だからこそWhat=便益の設計は非常に重要となるのです。しかし、その便益は顧客のインサイトが不明確であれば何を便益として提供できるのかが分かりません。プライマリターゲットとしていた主婦が洗濯を干した後に匂いを嗅ぐ習慣があったからこそ、匂いの元を絶つという便益を設定できるのです。これは、独自の機能性に関する強みを活かしつつコモディティ化しない、便益設定となっています。

What=機能になってしまっていないか今一度見直し、自社の便益とは何か言語化してみましょう。

(3)Howについて

WhoとWhatが明確になっていれば、戦略としては9割型完成しています。そして、残りの1割を決定づける要素がこの【How】です。Howは顧客に対して便益を【どのように】届けるかを設計する箇所です。How自体は更に分解する事が可能で、大きく以下の2つに分解できると弊社では定義しています。

①買ってもらうための仕組み作り
②売るためのアクション

①と②は似ているようで非なるものです。

①自体がそもそもマーケティングである、と定義されている方も多いです。しかし、弊社の中では①だけではHowの区分に過ぎないと思っています。では、①の買ってもらうための仕組み作りとは何のか。それは、ブランドが顧客から選択されるかどうか=顧客の頭の中にそのブランドが想起されるかどうかと同義です。つまり、そのブランドが顧客に想起されるためにはどのようにブランドを育てていくかという工程が①の定義している内容です。
(重要な指標の例:ブランド認知、ブランド愛好度、第一想起、etc・・・)

②は顧客に対してどのようなマーケティングコミュニケーションを設計し、どこのチャネルでどう発信していくことで、購買や利用・体験に結びつけるかという活動を指します。昨今のデジタルマーケティングを駆使したCV至上主義は②だけに特化してしまっている弊害とも言えます。多くの事業者はマーケティングのリソースの大半に、②(デリバリーの手法)を優先して、小手先だけでお化粧を繰り返し、失敗をし続けているのです。これがいわゆるマーケティングは広告だと思ってる企業が陥る典型例です。
(重要な指標の例:CV、CVR、CPA、etc・・・)

持続可能な事業成長を描くうえでHowの中でも①はとても重要で、これは長期に渡って作りあげていくものです。ブランドはステークホルダー全員との信頼であり、その会社の資産なのです。②に関しては顧客とのコミュニケーションを行うタッチポイントや手法などは時代に合わせて変化があるものの、前項で記載したような顧客のインサイトに対して提供すべき価値を見つけだしている状態であれば、デリバリーの方法を難しく考える必要はないのです。顧客【Who】が明確であれば、あとはその生態系をより深掘りします。日常の関心毎やライフスタイル、仕事、よく利用するメディアや、興味のあるコンテンツや趣味など。対象顧客のペルソナを具体的にイメージしたうえで、提供できる便益が、顧客から欲しくてたまらないと思わせる欲求を引き出すためにクリエイティブを開発していきましょう。

また、②を設計するうえで重要な視点として、リソースは限られているということです。目的を達成させるために戦略があり、それを実現するための手段がHowです。なので当然、とれる手段にはリソース(人、モノ、金など)は限られており、どう集中的に投下するのが目的達成において重要なのかを吟味する必要があります。仮にプロモーション施策を複数のタッチポイントで多メディア展開してもそれぞれの投下コストが分散して、認知獲得に必要なリーチに対して届いていなければどの施策も中途半端な結果となってしまいます。届けるべき顧客に適切なリーチをするうえでどう集中的にリソース配分を選択するかを明確にしましょう。また、集中配分することでデータ量としても早く溜まりやすくネクストアクションとしてPDCAを回すための検証の優位差が得られやすくもなります。

組織構築(マーケティングトランスフォーメーション)

そして、3つ目が組織構築です。事業を立案し、戦略を作ってもそれらを実行できる人員やマネジメント、ケイパビリティが組織になければ絵に描いた餅となってしまいます。

では、組織構築をするうえで重要なことは一体なんなのか。それは、「売れる必然や勝ち筋を自分たちで作り出せる組織」です。組織全体をマーケティング型に機能させていくためには、現場で働く一人ひとりの意識をマーケティング脳に改革していく必要もあります。顧客とのタッチポイントを担う部署からサービス開発を担う部署まで、一人一人がマーケティング思考の伴った業務推進ができることで、初めて組織がマーケティングドリブンな組織として有機的に機能するようになるためです。このように、目的達成や持続可能な成長を描くための全社的な組織改革を弊社ではマーケティングトランスフォーメーションと呼称しています。

マーケティングトランスフォーメーションが実現するために重要なことは以下の5点です。

①目的達成に向けたチームや体制を構築すること。
②消費者視点を全員が持って活動できること。
③データドリブンであること。
④顧客への価値最大化を実現するうえで、部署間の連携が可能なこと。
⑤働いている全員が自社のことを好きになってもらうための努力を怠らないこと。

①目的達成に向けたチームや体制を構築すること。

組織はビジョン達成へ向かうために集まった人々の集合体です。つまり、その目的を遂行するうえでどう組織やチームを構築するかも手段の一つに過ぎません。なので、あくまで目的を遂行するうえで、どのような人材やケイパビリティが必要なのか。それは社員でないといけないのか。自社の人員だけで難しければ、パートナー会社や業務委託をどのように組み合わせていくのかなどを思案する必要があります。

②消費者視点を全員が持って活動できること。

社員一人一人にマーケティング思考をどうすればインストールできるのか。それは、地道に日々の小さな「気付き」・「検証」・「効果の実感」を積み重ねることが最善の近道です。そのために必要な環境と道具を取り揃え、最初の起点と流れを作り出すことが重要です。

③データドリブンであること。

データは数値であり結果です。データ=数値だけには何も価値はありません。そのデータからどのように改善案を考えPDCAを回していくかが重要なのです。組織に関わっている一人一人が自身に課せられたミッションに対してデータを根拠に、改善が生み出していける組織は漏れなく強いです。

④顧客への価値最大化を実現するうえで、部署間の連携が可能なこと。

組織としての規模が大きくなればなるほど、縦割りが強くなり部署間での連携がしづらくなる傾向があります。部署間の連携を強化するというのは、あくまで顧客への提供価値を最大化するために、連携を強化する必要があるという意味合いです。闇雲に部署間のコミュニケーションを増やして雰囲気をよくするとか、そのような意図ではありません。営業部門が把握している情報、マーケティング部門が把握している情報、経営企画が把握している情報、商品開発が把握している情報など、部門ごとにそれぞれ把握している情報は異なるはずです。そのため、顧客への価値を提供するうえで各部門が必要な情報に対して、アクセス、共有、ミエル化、KGI目標に対して部門内のKPI目標が紐づいているか、など連携すべきことを強固にすることでより、事業の成長が実現できる可能性は高まります。

⑤働いている全員が自社のことを好きになってもらうための努力を怠らないこと。

持続可能な事業成長を実現していくうえで、ステークホルダー全体に好きになってもらうことは非常に重要です。例として、経理の方が交渉されている銀行の営業担当の方もそうですし、営業スタッフの家族もそうです。それらは全て、自社の顧客になり得る可能性があるからです。組織に関与されている皆さん一人一人がブランドを作り出していくからこそ、働いているスタッフにも自社のファンになってもらえるよう皆で組織を作りあげていく必要があります。

ファイナンス

最後に、4つ目がファイナンスです。持続可能な事業成長をし続けるためにはファイナンスがマストです。どれだけ顧客に愛され事業が拡大しようとも、キャッシュが尽きれば会社は存続できません。逆に事業が例え軌道に乗っていなくてもキャッシュを確保できていれば改善できる猶予が生まれます。そのためマーケティング活動を最大化するうえで、ファイナンス戦略は絶対にセットで考えるべきです。

今回の記事では金融視点での資本政策よりかはマーケティング観点でのファイナンスコントロール術を述べたいと思います。冒頭でも述べた通り、キャッシュがあれば基本的に会社が潰れることはありません。では、なぜキャッシュがなくなってしまうのか。それは集客数(生み出せる利益)に対して過剰な投資や不必要な支出を行なっているためです。特に新規事業でありがちな事として、その事業における顧客への提供価値(便益)として、さほど重要でないことに初期投資をしすぎてしまうことです。その結果、損益分岐点の壁が高くなってしまい回収が遅れ、キャッシュフローが悪くなってしまうパターンが多く見受けられます。

例題として、プロの料理人が料理教室に通わなくても、本格的な料理をビデオ会議で教えてくれるサブスクサービスがあったとします。

この事業で重要なことはプロの料理人が利用者に対して、お店でしか食べれないような難しい本格的な料理を自分でもできるようどれだけ分かりやすくサポートしてあげられるかという、

「質の高い(コミュニケーションが適切)プロの料理人の人数」×「利用したい顧客の獲得」

上記の変数が初期のシードフェーズにおいては、事業収益に直結するための重要な指標のはずです。まだ、その新規サービスがPMFするかは不明瞭なため、ミニマムでスタートし、その事業のレバーとなることに投資をするべきです。反対に、キャッシュが枯渇しやすい企業は上記の変数からは直接関係のない、顧客と料理人がWebコミュニケーションをとるうえでのハードウェア(ビデオカメラ)を仕入れたりしてしまいます。Webでコミュニケーションを展開するため、当然音声の質や映像の鮮明さも必要不可欠です。しかし、それは既存サービスで無償提供されているようなビデオサービスで十分に事足りるのではないでしょうか。ハードウェア(ビデオカメラ)の有無は事業の優位性や便益を設計するうえで重要なことではないはずです。その代替としてLINE通話を活用したりなど、潤沢な資金がないスタートアップは、事業の成長においてレバーにならない変数への投資は後回しにしましょう。

Howの部分でも説明したとおり、リソースというのは常に限られています。資金も当然、収益以上に使いすぎれば会社は傾きます。なので、投資を強化するべきポイントとそうではない部分の見極めは適切に経営判断しましょう。

株式会社縁のMarkeXpertではエキスパートクラスのマーケター人材を業務委託で紹介することが可能です。マーケティングにお悩みの方は下記よりお問い合わせください。

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